マーミット リアルソフビキット ヘドラ
今回は、原型写真が無かった為、先送りになっていたへドラ成長期です。
私が担当したリアルソフビキットでは、ガイガンの次でした。
まったく揃ってない形のひれひれが、無秩序に体じゅうについてる…資料見てその形が、わかるのか~正直不安でした。
へドラと言うぐらいですからヘドロをイメージしているんだと思われますが、自分のイメージではワカメのような海藻を思いうかべました。
しかし着ぐるみはラテックスなのでヌメヌメした感じではありません。
映像の中では泥とかでドロドロ感をだしているシーンもありましたが、だいたいはラテックスで出来た乾いた海藻で出来たモンスターという感じがしました。
でも仮にアメリカ映画のような本当にドロドロでギトギトのモンスターだったら、私的にはあまり好きになれなかったかもしれません(笑)
そしてその造型には、やはり造型センスを感じました。
同じような形のひれひれをただくっつけていっただけでは、決してあの造型にはならなかったんじゃないかと思います。
その一つ一つが決して同じ形になららいよう細心の注意を払い作られていると思います。
その結果、あのへドラが生まれたのです。なーんちってわかったような口をきいてしまいましたが、これはあくまでも私の推測です。
他には背中の異様な袋(?)、タコのような頭、不揃いな目、怪獣(怪しいけもの)というよりは、完成されたモンスターという感じがします、なぜか格好いいのです。
斜め右から見たスタイルと斜め左から見たスタイルはかなり違いますが、それぞれに格好いいですし、後ろから見たスタイルもまたしかり!どこから見ても見る人を飽きさせない造型だと思います。へドラ成長期は映画の中では、ほとんど夜のシーンでしたが、出来れば昼間のシーンとかで、もっとじっくり鑑賞したかったですね(^_^)
実は原型を仮組するのは初めてだったりします(^^;)
頭パーツだけ先にソフビにしてから、インナーパーツを作りました。
よって、頭パーツには、しっかりソフビをぬくための湯口が作ってあり、頑丈にくっついてる為、仮組出来ない状態でした。
それを取ると頭パーツが壊れそうだったのですが、今回うまく取り除く事ができたので、写真を撮ったしだいであります。
写真を見て思い出したのは、顔の向きについてです。
上の完成品正面写真では、目が、地面と平行でいかにも自然ですが、原型の方はへドラの左目が下がってて、右目の方が高い位置についている様に見えますね。
これは顔の向きが違うからなんです、斜めの接合部(首)を回せばどっちにもなります。
完成写真を撮った人は、目が左右平行の位置が、正面だと思ってそうしたんだと思いますが、実は(私の推測ですが)もともとへドラの目は、人間の平衡感覚に逆らってわざと平行でなくつけたんだと思います、資料をいろいろ見て私はそう判断しました。
よって左右の目が平行でない原型の顔の向きが、このへドラキットの正面なんです。
次に縦長についてですが、私のイメージの中では縦に長い印象があったのでそれを少し強調して原型を作りました。
しかし途中で作ったインナーパーツのセッティングや成形時の縮みとかで、縦長が更に強調されてしまったかもしれません。
そんなこんなで、まだまだ勉強不足だなと思いました。
この記事へのコメント
とくにヘドラみたいな不定形フォルムをした怪獣はとくに難しいでしょう
スリムなところは浅川テイストなんですね
原型師さんの解釈や思い入れによって着ぐるみを再現していながら、有形無形に作品に個性がでるところがGKの奥深いところだと思いマッス(^^v